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慮る

「おもんばかる」という言葉、英語には無い。
僕がたまに困ったときに使っている英訳サイトで翻訳させてみると「Consider」となり、意味が違う。

前、ここじゃないどこかに書いたのだけど、日本人のすごいところは、表層的なところでないところをお互いに言葉も交わさずに理解しあう、ということにあると思う。
前、外人の友達にも教えてあげたけど、「空気を読む」とか「顔色を伺う」とか「意図を汲む」とか独特な表現によって使われるこれらの意味というのは、言葉なくともコミュニケーションが取れる、ということにあると思うし、相手があえて言葉に出して言わなくても、それを察して(「察する」という英語も無いね)こっちから先手を打って対応する、ということができることにある。

だから日本では、アメリカのようなアホなくらいぶっといJob Descriptionなぞなくても効率よく働いてこれたし、いちいちチームの役割分担を明確に決めなくても、気付いた人が率先して行動することができるから、チームワークによる能率向上が進んだりする。「カイゼン」なんてのはそういう文化だから生まれ得た日本の強みが凝縮されたものなのだろう。アメリカなんて「カイゼン」を取り入れるためにさらにルールなり仕組みを入れざるを得ないから、なかなかうまく機能しない。

一方で、最近、こういうのを軽視する傾向が日本に出てきて、かつ若い人の中に「場の雰囲気を読めない人」が増えてきた、とか言われているのだけど、外人はほんとにひどい。これは文化の違いで「言わなければ徹底してわからない」という環境にいたから仕方ないのだけど、いちいち言わないとほんとわからない。

別にそれがいいとか悪いとかの話ではないのだけど、こういう人を多く見ると「日本人はほんとこういう部分をもっと大事にしなきゃ。」と思うのだ。「言われてからでは遅い。」という感覚ですな。

by shinji_isono | 2006-11-06 13:36 | AnnArbor生活  

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