留学落語

このブログも早いもので、あと三週間もしたら丸二年になるんでぇございます。早いものですねぇ。ここ留学先、亜米利加ってぇのは、当然英語を使う国でございますから、日本語なんてのは普段一切使わないんでございますねぇ。ですから、このブログ以外で日本語を使う時ってぇのは、

「あっ・・・、またこの亜米利加人、人の都合も考えず、ぺらぺらぺらぺらしゃべりやがって・・・。今日も忙しいっていうのに、いつまで話続けるのかしら。。。顔は笑顔で「アイ、スィー」とか言ってても、もうあなたの言葉は右から左に通り抜けてるだけですよっ」

ですとか、

「おっっと、このガイジン・・・・。「ハイ!」なんて笑顔で握手を求めるのはいいけど、トイレで洗った手、ちゃんと拭いてないじゃない・・・・。この私のぎこちない笑顔から察しなさいよっ・・・」

てなことを心の中で叫ぶくらいが限度なんでぇございます。もちろん、心の中でだけですよ。ガイジンは日本語わかりませんからね。でも、不思議なもんですね。いくら毎日英語つかっててもですね、びっくりしたときは日本語が出る時がありますね。私もね、友達とミーティングしてたときにですね、あまりにびっくりして











「MAJI!!」



と叫んだことがございましたね。思わず口から日本語が出て、亜米利加人の顔面にどーんと直撃した時には、このびっくりが倍増しましたけれども、でもですね、さらにさらにびっくりしたことがあったんですよ。その後、その亜米利加人がなんと、












「Yeah, it's true ! 
hahahaha」



なぁんて言い返しましてですね。これはぶったまげましたね。お前は日本語わからないだろっって、「まぢ」なんていうスラングなんてさらにわからないだろって、「まぢ」って漢字で「真剣」って書くって知ってるの・・・・・・、ってなのはどうでもよいのですが、このようにですね、亜米利加人というのはですね、適当に人の話を聞いている時が結構あるんですね。


こないだもですね、友達とレストランに行って、「はんばあがぁ」を注文したんですけどね、



「えーっと、あっしはこのばーべきゅーばあがぁ、なるものをいただこうかな。寅さんはなににするんだい?」

「・・・へい。あっしは、こっちのいん・・・・、いんぐ・・・・、いんぐりっしゅばあがぁ、っていうものをひとつ・・・」

「お、寅さんなかなかはいからなものを選ぶねぇ。え、なになに・・・?こっちのウェイトレスさんが「はんばあがぁはどんな風に好きですか?(How do you like it?)」だってよ。寅さんはどうすんだい?」

「どんな風に?亜米利加のウェイトレスは変なこと聞きますねぇ。どんな風にって、そりゃー、あっしだって、こう見えてもアナーバーのはんばあがあを食べつくしたと言ってもいい人間ですよ。次はどこのはんばあがあを食べようか、、、と毎日考えるほど好きで・・・・」

「ちょっ、ちょっと寅さん寅さん・・・・。お前さんがどれだけはんばあがあを好きかなんて聞いてないんだよ。困ったねぇ、この人は。ウェイトレスさんはね、どのように焼いて欲しいのか、を聞いてるんだよ。」

「なんだ、そういうことでしたか。てっきりはんばあがあに対してどのくらいの熱意があるのか、を聞いてるのかと思いやしたよ。でも、それにしても変ですねぇ、焼き方なんて言ったら、フライパンをあっためて、油を引いたらまず表面をこんがり焼いて、その後弱火でじっくりと・・・」

「寅さん寅さん!!ちょっ・・・・、あんたは・・・ほんと困った人だね・・・。亜米利加にもうどれだけ住んでるんだい?「どのように焼いて」というのは、「どのくらい焼いて欲しいか」と言うことに決まってんだろう。向こうは料理のプロだよ。焼き方なんて知ってるに決まってるじゃないか。あまり焼いて欲しくなければ、「れあ」、半分赤みを残して欲しければ、「みでぃあむ」とか言えばいいんだよぅ」


なんてことを話しながら、私がみでぃあむ、寅さんがれあということで、やっとの思いで二人分の注文をしたわけでございます。




「あー、早く来ないかな~。おなかすいたな~。」



と思っておりますと、先ほどのウェイトレスさんがですね、二人分のはんばーがーを持ってやってくるわけです。


「あ、こっちがみでぃあむね。じゃ、あたしで。そっちのはんばあがあは、れあだから寅さんの、と。」



亜米利加のちゃんとしたはんばあがあってのは、本当に大きいんですね。そのままかぶりつくなんてのはできないので、フォークとナイフなんてのも出てきて、こーやって、半分に切って食べると食べやすくなるわけなんでございます。で、ちょっと半分に切ったりしてみると、この分厚いお肉の断面が見えるわけでございます・・・


「あら、やだね、こりゃ。みでぃあむって注文したのに、うぇるだんんなってるよ。・・・あっ、これは失敗したな。亜米利加では一般的に日本より多く焼いて持ってくる、ってことを忘れてた。亜米利加でみでぃあむを食べたければ、みでぃあむれあ。みでぃあむれあを食べたければれあ、って言わなければいけなかったんだよぅ。・・・・というと、寅さんの焼き加減がちょうどみでぃあむになるね。どうだい?寅さん」


「・・・・・・へい。あっしもうぇるだんになっております。赤みの残っているお肉が見つかりません・・・」


うぇるだんって、英語でかくと「Well」と「Done」の組み合わせね。「よくできた」ってな感じで訳したりもできそうだけれどもね。何にもよくできてませんね。「ぐっじょぶ!」と同じような意味になりますけどね、そんな言葉は寅さんの口からでさえも出てこなかった、というわけなのでございます。



・・・てなわけで、もう、亜米利加にいると、大体こんな感じなのでございます。もう、いちいち腹も立ちませんね。あー、また話を聞いてなかったんだ・・・、となるだけ。2年前の亜米利加に来たばかりの時は、「じゃー最初から聞くなよ!」な~んて、心の中でつっこみを入れて、右手でどついたりもしましたけれども、もうね、2年もたちますとね、何も無いですね。下向いて食べ始めるだけなんですね。


でもですね、悔し~いんですけど、そうは言ってもやっぱり亜米利加で食べるはんばあがあなるものは、本当においしいんですね。会話も無くなりながら、下向いて、こう、がつがつ食べ始めるわけでございますよ。そうすると、亜米利加のレストランでは、ウェイトレスがまたやってきてですね。

「How's everything ?」

なんて聞きに来たりするんですね。もちろんですね、頭の隅には「焼きすぎだろうこのやろー」なんて思って、いっちゃおうっかな?やめとこっかな?っていう葛藤が0.8秒くらい頭の中で起こるんですけどね、脳内会議で穏健派が急進派を抑えつつ、ついついこう言っちゃうんですね。





「That's good !」



残念なことに笑顔もつけちゃったりしてね。こんな時に、「あー、日本人だなー」って思いますね。

今回もですね、満面の笑顔で顔を上げて、親指を縦に突き出して、



「ぐぅーーーーっどっ!」





と答えたときには、話を聞かない亜米利加人ウェイトレスは、すでに遥か遠くにいたのでございます・・・・。

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by shinji_isono | 2007-06-07 13:51 | AnnArbor生活  

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