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春休みの読書感想文

今月一ヶ月は、多少本を読んでみました。

趣味を磨いたり、本を読んだりしてました。
何冊か読んだのでその感想を。

スモール・イズ・プロフィタブル―分散型エネルギーが生む新しい利益

エネルギーの権威、エモリーロビンスが書いた本。結構分厚くてですね、「なぜ分散型エネルギーがいいのか?」について、あらゆる視点からとことん立証している、そういう本で、ちょっと専門的です。原子力、火力、石炭などによる大型発電をもとに、グリッド(電線)を使って供給する、という仕組みがもはや、規模の経済よりも不経済がうわまりはじめている。消費地での発電(太陽光とか風力とかを用いて)を行うことにより、コスト効果だけでなく安全性、将来に対する不確実性への対応等々にも適応しうるようになってきており、今は社会はパラダイムシフトが必要とされている、ということを様々なデータ、あらゆる視点から見事に立証している。リニューアブルエネジーに興味ある方には、一度読んでいただきたい、良著です。


The Joy of Not Working: A Book for the Retired, Unemployed and Overworked- 21st Century Edition

一度前に簡単に紹介しましたが、この本。なかなか良いです。
「本当はいろいろやりたいことあるんだけどね・・・」といいながら、忙しくて何もできない人、必見です。
やっぱり衝撃的なのは、リタイアした人たちの多くが人生をそんなに楽しいと思っていないこと。それは趣味だとかをずっと持ってなかった人達が、いきなり自由な時間を持ってもすごし方がわからないのだそうな。確かに、1~2週間くらいだったら楽しそうだけど、1年丸々空く時に、何ができるか、というのは別な話だ。「今がんばって死ぬほど働けば、将来楽しい老後が待っている」、と思いながらいろいろなものに目をつぶってがんばっている人。そんな「楽しい」老後は来ないのかもしれません。

「本当はやりたいことがある」というのであれば、今仕事をやめればいいじゃないか、とも言ってるんですけど、実際は「働く」なと言うのをアピールしているのではなく、きちんと効率よく仕事をこなし、内容の濃い趣味を持って、プライベートも充実させなさいといっている。

テレビは見るな、って言ってますね。これは僕も賛成ですわ。結局、このアナーバーでの2年間、家にテレビを置かなかったため、ずっと見なかった。やっぱり、限られた時間を上手に生かすには、テレビは非常に邪魔である。その時間をちゃんとした趣味に使いたい、そう思いますね。

単にテレビ見るだけとか、酒飲んで終わりとか、そういうのではなく、(筆者の言う)「難しい趣味」を持つべきだろうと思う。そういう趣味を持っていくと、老後になっても時間は足りないほど、いろいろなことに没頭できるのだろう。


人を動かす

鉄鋼王のカーネギーが書いた本で、これも昔から知っている本だったけど、読まずにずっと生きてきた。ほんと時間が取れてるからこういう本が読めてよかったと思う。この本は、結構目からうろこ系でした。僕のように、「人を動かす」ことが苦手な人、必見です。

結構、人間の本質をずばりと直球でせめているので、わかりやすくもあり、またショッキングでもある。

「いくらあなたが忠告したところで、相手は保守的になったり、自尊心が傷つけられたりするだけで、その言葉を元に、他人が態度、考え方等を変えるなんてあるわけ無いじゃないか。」

と言い切った上で、

「彼が自分で気づいて、自分から変えようと思わせるにはどうすべきなのか?」

というようなことを、豊富な事例を元に、説明されている。結構人間というのは、余計なお世話で言っていたり、本当に相手のためを持って言っているのではなく、単なる自分の自己満足で行っている場合があったりする。そういう態度をぴしゃりと否定しております。


スローライフでいこう―ゆったり暮らす8つの方法

日本語タイトルは、売れるためにあえて意訳した、という感じ。LOHASとかがはやってるからだと思うんだけど、もともとのタイトルは、「Take Your Time」ということで、自分の時間をしっかりとろう。急ぎ足で人生を駆け抜けるのではなく(それによって、心が乱れ、やりたいことができなくなる、ということなしに)、心を落ち着かせ、過去でも未来でもなく、「今」に集中し、生きていこう、というような内容でしょうか。

偶然なんですけど、今回はこの手の本をよく読んでますね。


アルケミスト

この本、アナーバーの本屋に行くと、英語版だけでなく、各国語に翻訳されているのがずらりと並んでいる。スペイン語とかフランス語とか。ずっと気になっていて、しかもH氏のブログでもお勧めになっていたので読んでみた。一言で言うと、「夢を追いかけることが人生であり、もっとも大切なことだ」というような意味だと思う。
人間、何かに成功してしまうと、そこから保守的になってくる。守ろうとするものを持ってるから、守ろうとするわけなのだけど、それによって、将来の可能性、自分の本当にやりたい夢、等も制約を受けてくる。
この本で何度も出てくるのだけど、自分の心に対して、心を研ぎ澄ませ、じっくり聞いてみる。それによって、本当に自分のやりたいこと、夢がわかってくる。そこに向かって進んでいけば、たとえそこにたどり着けなくても、立派な人生だと自分で言え、思えるだろう、ということを、主人公がいろいろな人と出会いながら、理解していくという内容。確かにねぇ~、と共感を持てる内容でした。

日本人は、いい歳してもまだ夢を持っている人を、「いつまでも夢みたいなことばかり言って」とちょっとバカにするような風潮があると思う。でも、人生というのは夢を常に持ち続けて、それに向けて努力していく過程なような気がしますね。世界中で売れてるということは、みんなそんな自分の夢を忘れがちなんだろう、と思う。

以上、今月の読書でした。
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by shinji_isono | 2007-05-31 10:32 |  

冬休みの読書感想文

いくつかはまだ読みかけのもありますけど、この冬に読んだ本のご紹介。
今回は、いろいろな人に教えてもらった本も多かったからというのもありますけど、非常に良書に恵まれよい休みをすごすことができました。

経済の本質―自然から学ぶ

これは非常に目からうろこ系の面白い本。経済の仕組み、動きをすべて生態系の仕組みに基づき説明していく本。環境問題系の本だろうと思っていたのだけど、実際には経済そのものの説明に重点が置かれている。自然の進化の過程と多様化する経済の仕組みとを比較して説明して、「発展・進化とは何か」等について論じられている。4人の登場人物が会話をしながらこれらを理解していく、という感じになっていて、読みやすくしてある。

公共政策学入門―民主主義と政策

環境政策を中心に勉強しているものとして、政策学の基本を学ぼうと思い手にした本。非常に簡潔に整理されていて、とてもよかった。(ちょっと妙に「現実主義」な部分があるけど。)簡単に「政策学」の大枠を学ぼうという人にはお勧め。

グレートジャーニー「原住民」の知恵

僕が北海道自転車旅行(3000km)をしていた頃にもっとも影響を受けたテレビ番組「グレートジャーニー」を行っていた関野吉晴氏の本。僕が大好きな星野道夫ともつながりがある冒険家。彼が実際に触れた原住民の生活を通して何を学んだか、またそのレンズを通して、先進国の生活がどういうものなのか、を時には非常に辛口なコメントも交え述べている本。体で実際に体験した人の話は非常に深みがあって心に響く。これもそんな本でした。SASAPYさん、ご紹介ありがとうございます。

大国の興亡

歴史に詳しい僕の親友が10年以上前から、お勧めしていた本。たまたまこっちの古本屋で売っていたので読んでみた。歴史ものにありがちな、戦闘シーンに特化した分析ではなく、その前提となった地理的、経済的、宗教的、政治的背景を非常にきれいに分析した本。どうして国々が勃興してきたか、をヨーロッパ中心にわかりやすく説明されていて、歴史が動いた「理屈」がよくわかる。まだ上巻しか読んでないけど、ぜひ、下巻も読みたい。そういう本。


気づかせて動かす―熱情と理のマネジメント


ご存知、スクールウォーズのモデルになった山口 良治氏とその教え子である平尾 誠二氏とが「教育論」について語っている本。個人的には、自分が日ごろ思っていたことの多くがここに述べられており、気持ちよく読めた。教育、人を育てるというのは、その人が自分で立って、歩けるようになるまで辛抱強く我慢し見届けることであり、手を差し伸べて、変わりに歩いてあげる事ではないのです。上っ面の、そして机上の空論ではなくて、教育の本質をきちんと捉えて述べられている。

未来を変える80人 僕らが出会った社会起業家

80人の成功している社会企業家を全世界からフューチャーし、著者が1.5年ほどかけてインタビューした内容をまとめたもの。「社会企業家とは何か?」というところをすでに実践している人たちを通して学ぶことができる。内容が非常に多岐にわたっていて、個人的には非常に刺激になるし、読んでいて面白い。

ハチドリのひとしずく いま、私にできること

さらっと立ち読みしただけ(で読めてしまう本)なのですが、結構話題になった本。
燃えている森の中で、勇気あるハチドリがたった一滴でも火を消すためにがんばる、という原住民に言い伝えられているお話。環境問題もそうではないか?と訴えかけている。
本の後半は、上で述べた関野吉晴とか坂本龍一とか環境に興味がある人たちがそれぞれ2ページほど割いて、自分らの環境問題に対する考えを述べている。

Renewable Energy Policy and Politics: A Handbook for Decision-Making

まだ読んでる途中ですが、すでに良書と呼べる一冊。いわゆる「教科書的」な内容から一歩進んで、どうやったらRenewable Energy Policyは成功するのか?を失敗・成功事例をも用いてポイントをきれいに列挙して説明している。ある程度そのポイントを断定できているところがすごいし、まさにこういう領域で仕事をしたいと言う人にはバイブルになりうる本。

「レスター・ブラウン・プランB2.0―エコ・エコノミーをめざして」

彼の本を読んだのは2冊目。前にこの人の本をちょっと批判したんですけど、今回は「プランB2.0」という名から、彼独自の環境問題に対する解決法が書かれているのでは?と思い読んでみた。でも結果としては一冊目と同じで、現在の状況がいかに危機的か、というのを多くの情報を提供して述べているだけで、彼独自の視点については触れられていなかった。どうすれば、環境問題を克服できるのか、について彼独自の意見をそろそろ聞きたい。

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by shinji_isono | 2007-01-06 03:39 |  

知識社会に向けて

ドラッカーが書いている論文が、たまたまクラスのReading Assignmentとしてあったのですが、結構考えさせられる内容で、お時間がある肩はぜひ読んでいただきたいと思います。

内容としては、産業革命を経て、現在は知識革命が起こっており、人々の価値観が大きくかわろうとしている。この革命において大事なのは教育であり、知識は、対してお金かからなくても得られるものであり、国境もない。経済偏重の社会の考え方が、より多元主義に変わるのだが、多元主義の問題である、「共通の利益」については誰が責任を持ち、実行するのかが不明確。

というようなことが書かれており、環境問題克服に向けても参考になる話です。
行間も読んで、じっくりゆっくり考えながら読みたい、そんな内容だと思います。

Materialismから僕らはどっちの方向に動いていくべきなのでしょうか???

The age of Social transfromation
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by shinji_isono | 2006-09-14 00:12 |  

夏休みに読んだ本のご紹介

ガーナ帰国から1.5ヶ月。とうとう夏休みも終了します。
そこで、その1.5ヶ月で読んだ本のご紹介。

行動経済学

伝統的な経済学が機能しない理由および近年の傾向である心理学的要因にフォーカスした経済学理論を幅広く網羅し、簡潔に説明した本。非常によく有名な議論も網羅しており、今までこういう本は無かったのでは??とおもう。経済学の基礎の基礎はわかっている人向け。
ちなみに、環境政策にはこの辺の理論をうまく活用することがポイントになると個人的にはおもっている。

国連改革

国連万能論や世界政府的な視点を持ちがちな日本人の誤解を解き、国連の現在の機能から問題点・限界等を説明してある。日本くらい「国連はすごい組織!」とおもっている国はいないと言われるが、そういう日本人が勝手に持っている幻想を取り除くのにはよい。単なる国連批判本というわけでもなく、著者なりの解決法も書いており、さらっと読める本。
ちなみに、国際連合という訳をつけたことが、そういう誤解を誘発する原因だったりもする。(単に国連はUnited Nations(連合国))

The future of life

ソローに対する呼びかけから始まるこの本。やや「沈黙の春」に通じるところもあるが、生態系よりの視点から、環境問題の重要性を語りかけ、将来の生活・社会について提唱する本。読んだのは2回目。この手の本は環境をやりたい人間として、定期的に読んでおきたい。環境に取り組むことへのエネルギーをもらえる。

Power to the People: How the Coming Energy Revolution Will Transform an Industry, Change Our Lives, and Maybe Even Save the Planet

この夏読んだ本の中の一番のオススメ。レスターブラウンのような、ひたすら将来に対する悲壮感漂う数字を羅列し続ける、というようなものでもなく、データの提示、解釈から今後進むべき方向性(原子力のパートだけちょっとバイアスかかって書いている感はあるが)について、きちんと著者のメッセージが届く本。エネルギー系をやる人にはオススメしたい本。(ちなみに、なぜ「Power to the People」というタイトルをつけたのかは意味不明。自然に関する人権とかそういうのを書いた本ではない)

人間の安全保障

アマルティアセンの本。国単位ではなく、人単位での「安全保障」の概念を提示し、今後の環境問題、経済問題(貧困の拡大)等から生まれる安全保障上の不安およびそれを取り除く重要性、解決法(女性の地位向上とかそういう著者の専門領域)について書かれている。
いろいろな講演で述べたことをまとめた様なものなので、本全体として一つ通ったメッセージがある、というわけではないが、この考え方は面白い。個人的にはDevelopment As Freedomがとてもよかったので、ちょっと残念な部分はあるが、目を通して見ては??という本。

ファクター4

環境学を勉強する人にはとっても有名な本で、ずっと本棚に眠っていたのがようやく読めた本。
「豊かさを2倍に、資源消費を半分に」というサブタイトルそのままで、資源効率を4倍以にすることで、環境負荷を劇的に減らそうという発想。それを実現するためのすでに実在している技術の紹介、評価から、それを実現するための政治的、経済的な方策までしっかり提言してあり、さすが社会へのインパクトが大きい本だ!といえるオススメ本。
技術に関する情報等は一部陳腐化しているのもあるとおもうのだが、今読んでも非常に新鮮。個々人の意識改革による消費抑制等は「非現実的」とバサッと切ってしまうような徹底的な現実主義的な視点なのも好感。(今は、ファクター10という本も出ている)

地球が生き残るための条件

ブッパタール研究所という有名な研究所が書いた本。独自の指標を使い、現在の状態がいかに環境に悪いか、今後いかに危機的になるか、から始まり、今後どうすべきか?までをかいたいわゆるスタンダードな流れの本。ちょっとソリューションの部分が、すでにいろいろな人によって議論し尽くされたものが多く(「地域重視」とか)、独自な視点からの切込みが無かったのが残念。逆に言うと、この本は初心者向けともいえるので、今後どういう社会を標榜すべきか?について簡単に、「最近議論されていること」を知りたい人にはオススメ。

Public poicies for environmental protection

どちらかというと環境政策の教科書的な本。章が空気汚染、水質汚染、エネルギー問題等トピックごとに分かれており、その解決に向けて政治的に取りうるオプションをその理論の説明からアメリカの実際の(効果のあった)事例を交えて紹介している。それなりにオプションは網羅しているので、まさに「教科書的」にはよい。関心のある環境イシューについてのみ読めば十分かと。(環境政策の基礎がある人にはやや退屈。)


The Ecology of Commerce

Natural Capitalismというとてもいい本があって、これをもう一度読もうとおもっていたときに、友達に紹介され借りた本。著者はまったく同じ。Natural Capitalismは、環境保護をいかに資本主義に埋め込むか?について書いたとてもすばらしい本なのですが、例が多いということもあり、分厚い。入門編としての位置づけになるのがこのThe Ecology of Commerceでさらりと簡単に読める本。まずはこっちを読むことをオススメ。

話し言葉で読める「西郷南洲翁遺訓」

単に武士だけでなく、政治家としても偉大だったことがわかるし、今の政治家・政治を目指す人にも読んで欲しい、人として、道を究めるものとしての「心がけ」を書いた本。簡潔明瞭に書かれているし、何度も読んで自分を戒めたい、姿勢を良くしたい、そんな本。

強く行きたい君へ

極真空手の大山倍達が書いた本。武士道精神を理解し、自らの「道」を突き進んだことがよくわかる本。生き方、道を進むことに対する考え方が書かれている本。「空手バカ一代」を前もって読むことがお勧め。前記の西郷さんの本がよい分、ちょっと物足りなかったか・・・


国家の品格

論理偏重(屁理屈を含む)になっている世の中に対し、道理やら論理では補えない情緒的なの重要さを説き、頭より心の大切さを主張する。そこから武士道精神により、日本が今まで支えてきた強みである心、道義を見直し、国家としての品格を取り戻すことが大切と主張する。オススメ。

ゴーマニズム宣言 戦争論

自虐史観により、ある程度ゆがめられた歴史を教育現場を通して僕らが教えられてきていることがわかる本。マンガ。憲法問題・靖国問題・安全保障問題・日本という民族を語る前に、理解しておきたい「正しい歴史」のために、自虐史観の真逆の視点から書かれたこれを読むことはオススメ。双方が中和されて「自分なりの」歴史観が生まれるのでは?(ちなみに夏休みに靖国神社も行ってみた)
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by shinji_isono | 2006-09-03 10:48 |  

本のご紹介1

休みになって、もちろんリサーチの準備やらスペイン語の勉強やらに加え、本を読んでいます。
今回はそのご紹介を。

「行動経済学」 友野典男

僕もよく口癖のように、経済学と心理学は融合してきている、と言っていたのですが、いままでの経済学が想定していた経済合理的な人間ではなく、感情に影響される心理学要素が及ぼす影響についてまとめられたもので、非常によくまとめられている。
今回のスクールで学んだケースとかも入っており、いわゆるこの世界では有名なケースがいくつも入っており、またそれが結構網羅的に記されていて面白い。

日本に帰ったときに、ふと本屋によって買ってみたものなのですが、文庫で量もそんなに多くなく読みやすくてお勧めです。

たとえば、心理的な特徴として、
利益を得ることが予想される場合は、リスク回避的に
損失を被ることが予想される場合は、リスキーな選択を好んでする

とかそういう特徴を、アメリカを中心にしたいろいろな学者の研究を引用して述べられている。

僕がなぜこういう内容に関心を持つかと言うと、まさに環境問題も「心理的要素」が非常に強く影響しており、精神的なところに訴えかけて変えていかないと環境問題は解決されないから。

もうひとつ面白い事例としてあげているのが、

「日光浴は皮膚がんの可能性が高まる」

と医者がいくら説明しても一般的に人々の行動を変えることはできない。
しかし、

「日光浴はしみ・そばかすの原因となります。」

というと非常に効果的なのだそうな。
つまり、予想される損失は明らかに「がん」の方が大きいにもかかわらず(つまり経済合理的な人間であれば、がんの原因と説明する方が効果的にもかかわらず)、イメージしやすく、すぐ目に見える損失を説明した方が人々は動きやすい。

環境問題がなかなか克服の方向性に行かないのがまさにこれが原因。
目の前で害虫が大量発生した、原因不明の病気により大量にとある動物が死んだ、とかだと動くけど、地球温暖化は今後数十年で○○な被害が予想され・・、と言ってもなかなか動かない。

うまく大衆の心理を変えていけば、Overreactも見込まれるわけで、これをいかに効果的に活用するか、が環境問題克服に向けた僕の大きな関心事であったりもします。
人間の心理的な特徴を把握した上で、特に専門である「環境政策」を考えて生きたいとおもっています。

ぜひ、1000円ですし、すぐ読めますのでお手にとって見てください。
お勧めです。

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(東京は梅雨ですね。そんなに暑くも寒くもなくちょうどいい気候ですが、アメリカ生活慣れしたので半そででいることが多い。日本人はアメリカ人に比べ厚着ですね。この気候であれば、アメリカ人で長袖を着たり、上に一枚はおったり、とかはほとんど見ないですね)
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by shinji_isono | 2006-06-10 20:05 |  

環境政策-お勧め本

エネルギー・環境政策を主な専攻にしているのですが、クラスで課題図書となったこの本、結構よいと思うのでご紹介。

「Energy Revolution - Policies for a sustainable future」


翻訳無いか探したのですが、ありませんでした。感心のある方はぜひ、洋書で読んでいただければ。。。

Sustainableな社会を作るにあたって、EnergyとFoodがおそらく二大問題だろうとおもいますが、そのうちのEnergyに重点を置いたもの。

もちろん、このままのエネルギー消費量を続けていればSustainableではないわけで、そのコントロールが必要となる。
簡単に言うと、そのためには、省エネもしくはRenewable Energyの活用の2種類しかない。その2個をうまく使っていくことが大事。

最初の数Chapterは現在までのその状況、どういう省エネ、Renewablesが導入されてきているかを話しているもの。

そこから、マーケットを構築するためにはどうしたらいいか、中国とかブラジルの例を取り出してご紹介。著者の主張としては、これらが「マーケットとして」存在するため、できるための政策支援をしていくべきで、それを邪魔するBarrierを除いていかなければならない、という主張。

政策ミックスとでもいうべき、いろいろな政策を組み合わせて促進していかなければ、これはうまくいかないものであり、たとえば単に供給側だけを見て、R&Dに対する支援を行っているだけでは機能しない。需要側に対する支援は???というところの双方を持って政府がコミットしていくことで、結構成功していく、というお話。

とりあえず、現在のエネルギーに対する世界の取り組みが網羅されていますし、そこから政策の与えるインパクト、その効果、どのように政策をもっていけば、より効率よく省エネ・Renewablesが促進されていくかを述べられており、結構いい本かとおもいます。

PS僕はこれからこの本を元に、レポートを書かなければなりません。

ぜひぜひ、興味ある方は見てみてください。

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(今日は一気にこの本を100ページくらい読みました。読みやすい英語なので、英語の勉強がてら、、、という人にもお勧めです。)
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by shinji_isono | 2006-04-09 13:31 |