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マイクロファイナンスとは?

経済開発において、ここ20年くらい注目されて来ているものに、「マイクロファイナンス」というのがある。本日これをまとめてプレゼンする予定だったのだが、教授の都合により水曜にプレゼンすることに。

ということでここで簡単にマイクロファイナンスとは?についてのご紹介。

その名のとおり、これは「とってもちっちゃいファイナンス」であり、従業員が5人くらいまでの小さな会社を立ち上げ、それを軌道に乗せるために支援する仕組み。

小さい案件であり、途上国では一案件あたり100ドルとかそのくらい。そのくらいだと普通の銀行は目を向けない。でも、特に途上国ではちょっとしたビジネスを行えればそれで自立した生活ができる可能性があるにもかかわらず、担保にするものがあるほど豊かではないため、さらにお金を借りることができない。

こんな人のために、バングラデッシュで始まり今世界中で広まっている仕組みが「マイクロファイナンス」。お金貸すほうもある程度ビジネスをする、というよりも持続可能な活動にするために、ちゃんとお金を返してもらうことが必要。でも、担保彼らに貸すにはリスクが大きすぎる。

そこで生まれた仕組みが、連帯責任制度。お金借りる人をグループ化して、そこで連帯を持たせる。Aさんがお金返せなかったらBさんが返さなければならない。グループの誰も返せない場合は、次の貸し出しは禁止される。

ということにした結果、これが功を奏し、なんとバングラディッシュでは90%以上の返済率を長期的に維持してきている。これにより立ち上げたビジネス(町のレストランとかちっちゃな売店とか)を軌道に乗せることで、貧困であった彼らの所得が上がり、女性の権利が確立され、健康状態が改善し、と華々しい成功を収めている。

これがなんとクリントン政権時代にアメリカでも取り入れられ、今も続いている。アメリカにもスラムやらとっても貧困な地域は多く(デトロイトが典型)、そこの経済発展を梃子に元の活気ある健全な町を作りなおしたい、というニーズは多い。

ただ、途上国のようにちょっとした売店を作ればビジネスになる、という世界ではないため(大手スーパーとの競合にもなる)、なまじ簡単にはいかない模様。そこでの問題点はなにか??というようなことを説明したプレゼンテーションマテリアルだったりします。

PS アメリカでこのプログラムが取り上げられる、というところに、外からは一件イメージがつきにくいアメリカの貧富の格差、貧困層の多さ、というような問題点があるということを気づかされます。日本も、つい数年前は「実力主義社会」と言っていたのにいつのまにか「格差社会の是正」が政治の主要課題になったりしてますね。

by shinji_isono | 2006-10-10 04:58 | いそいそ的環境学  

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