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不二家事件

が、日本では話題になっているそうで、ちょいと書いてみたいと。

今回の事件がちょいと皮肉なのは、工場の環境マネジメントの一環として行われてきた取り組みの一つとして、廃棄物を増やさないために、本来廃棄しなければならない賞味期限が切れていた牛乳を使ってしまっていた、という側面もあったこと。

個人レベルであれば、

「一日切れてるくらいでぴーちく言うな!そのくらいで腹壊すわけないだろ!もったいないし、黙って食え!」

とでも言える問題でも、それを会社が行っていたとなると大問題になる。それを認めたら、賞味期限を表示するというルールの意味なくなってしまいますからね。

で、ここで不二家さんをフォローする気もないのですが、気になるのが、賞味期限切れでばんばん廃棄してたら何もお咎め受けなかったという事実です。
環境的にはこれは最悪なことであって、できる限り使ってほしいわけです。

一方では、最近は在庫管理がより厳密になり、大きな問題とならなくなってきたのでしょうけど、コンビニとかって、時間単位で賞味期限をチェックして、昔はばんばん捨ててたわけですよ。別にまだ食べれるのに。一時問題となりましたけど、不二家の時に比べればなんてことない問題なわけです。

つまり、人間への被害には過剰に反応するけど、環境への被害には対して反応しないわけです。なぜなら、人への被害はすぐ現れるけど、環境への被害は長期的に現れるだけだから。これは、本質では不二家の方々と似ている訳です。長期的に大問題になるかもしれないけど、今目先の問題を解決するために、やり過ごしてしまおうと・・・


今回の事件、基本的に食中毒者が出たわけでもなく、単に品質管理の問題点を誰かによってリークされたために明るみになったという話なわけです。もちろんよくない話しだし、それを隠し続けようとした経営陣は問題あると思うけど、倒産も覚悟しなければいけないような状況においやる必要はあるのか?と聞きたい。

「おいおい、1日ぐらいならいいって問題じゃないだろう!きちんと謝って、ちゃんと改善策を徹底して、もう一度ちゃんとやりなおせぃ!次やったら許さんぞ!」

と、きちんと責任を取らせればよいくらいの話だと思いますが、どうなのでしょう?
そんなこといったら、外食産業の裏側をすべて見せてしまったら、多くの企業が倒産してしまいますね。

なんか問題がおきると「徹底的につぶす」という風潮が特に最近強すぎる気がしてます。特に、こういう行為をした人たちが、単なる金儲け的な発想ではなく、「環境のため」を考えて、誤って一線を越えてしまっていたのであれば、本当にそういう社会の対応が正しいのか?という気がします。

大事なのは、「ミスを一つも許容しない厳格な社会」ではなく、「問題を二度と起こさないよう防止できる社会」だと思います。問題起こすためにどんどん企業が倒産していったら、日本社会の「財産」もどんどん消えていってしまいます。不二家も、社員のためだけでなく、我々の生活における「財産」だと思うのです。

PS うちの近くのスーパーも、賞味期限とっくに切れてる食品ふつーにおいてありますよ。

by shinji_isono | 2007-01-23 10:14  

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