今学期とっている「Economic Development」という授業に結構はまっていて、毎回リーディングアサインメントとして出される課題を楽しく過ごしております。
まだ1/3しか読んでないしのだけど、課題図書の一冊。800ページくらいの超大作のこの本(その名も
「Economic Development」とそのまま)。すごくお勧め。
基本的なことをすべてしっかり網羅しました。そういう感じの本です。高いけど。
で、今日はこないだ授業で習った「O-ring Theory」についてのお話。
「あなたはどういう人と仕事をしたいですか?」
の問いかけにあなたはどう答えるだろう?もちろん、性格がよくて、とか責任感が強くて、とかもあるけど、スキルについてはどういうレベルのスキルを持っている人としたいか?
やっぱり、自分と少なくとも同等、もしくは自分よりスキルのある人と仕事をしてみたい。この世界で有名な有名な○○氏と仕事してみたい!みたいな答えが出てくるかもしれない。
そうなるとどうなるか?
もっともスキルのある人たちはやっぱりもっともスキルのある人たちと一緒に仕事をする。
次にスキルのある人たちは、やっぱりそのくらいのスキルの人たちと仕事をする。
という感じに仕事をしていくと、最後は
「もっともスキルのない人たちは、もっともスキルのない人たちと仕事をする」
ということになる。
こうやって同じスキルの人たち同士でグループ化され、仕事がされていくというのをO-ring Theoryというのだけど、これは経済学的に説明できる。チームとして仕事をし、自分ができる仕事、発揮できるスキルは決まっている場合、よりスキルのある人と仕事をしたほうが、チーム全体のパフォーマンスをアップでき、自分への見返りも最大化できるからだ。
いわゆる「類は友を呼ぶ」のような現象が起こる。
一時期、アマチュアの最高の選手はこぞって巨人に行ったのも同じ理屈かもしれない。弱いチームにいるより、強いチームで自分も一流プレイヤーとして働けば、優勝の可能性がもっとも高まるし、自分の評価も上がるからだ。
僕は常に、鶏口牛後ではなく、牛口鶏後に自分をおくべき、と思ってきた。
僕のようななんちゃって野郎は、鶏口になってしまうと調子に乗ってしまうし、逆に小心者としては牛後でい続けると、いつも自分に劣等感を持ち、危機感を持って努力するからだ
でも、これも実はO-Ring理論で説明できるかもしれない。自分の周りに優秀な人ばかりいれば、学ぶことも多く有意義だからだ。優秀な企業は優秀な人ばかりが集まってくる、というのも同じだ。
と自分にも当てはめて、「へーーーっ」と思いながら読んでたのだけど、途上国では重要な問題だ。貧困で教育をしっかり受けられない人はずっと、同様の人としか仕事ができず、貧困層から抜け出せるチャンスが生まれないからだ。逆に一度、「勝ち組」には行ってしまうと
スキルを身につける→よりいい仕事→更なるスキルが身につく
と好循環となり、貧困層との所得格差が拡大していく。もはや多くの途上国では、世界銀行が去年出したWorld Development Reportもここにフォーカスしてたとおり、絶対的な貧困よりも、この所得格差がより重要な問題となっているのだ。
「教育」が「開発」においてよく重視されるのも、こういうところにもあるのだ。
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